園芸ルポ・鉢物農家の土作り-1

 

今日は、「鉢花のお店 オーク・リーフ」店長・藤田です。今日は鉢植え培養土のお話です。
「農業は土作りから」なんてよく言われますよね。確かに、豊かな土壌あってこそ実り多い収穫が得られるものです。しかしわれら鉢物栽培農家は年がら年中、馬車馬のように土作りに追われているのです。なぜなら丹精込めて作った培養土も植物と一緒に出荷してしまうからです。

丹精込めた土も商品の付属物に、

いうまでもなく農家にとっての財産は田や畑ですね。そしてこの豊かな土壌の田畑が親から子へ、子から孫へと代々受け継がれ確かな実りが約束されるのです。しかし、作物と一緒にこの肥沃な土を売ってしまったとしたら、もう農業そのものが危うくなってしまいます。しかし我ら鉢物農家は日々これを繰り返しているのです。
例えば5号鉢を年間4万鉢を出荷する鉢花農家の場合、約4万リットルの土を植物と一緒に出荷することになります。これは約2アール(10m×20m)の畑の、深さ20cmまでの作物の生育に最も影響のある土をそっくり失っているのと同じです。

土の出来で鉢物農家の収入が決まる?

だからといって土作りをおろそかにすることは出来ません。なぜなら培養土の良し悪しが鉢植えの出来栄えを大きく左右するからです。もっと言えば、これで鉢物農家の収入が決まってしまうのです、なんと!
市場へ出荷された鉢植はセリに掛けられますが、鉢物を仕入に来た買参人たちは他の品と見比べて値を付けます。自分の出荷した鉢植えがほかの鉢植えと比べられ、その優劣により値段が決まりのです。すなわち、出荷したものが他の品と見比べられて農家の収入が決まるという、実にキビシーい現実と直面しているのです。もとサラリーマンの私ですが、仕事の出来で給料が決まるなんて話は聞いたことがありません。植物と一緒に出荷してしまう培養土ですが、決して手抜きは出来ない事情がお分かり頂けましたか?

ひと口に「土作り」といっても各鉢物農家によって様々ではありますが、鉢物農家の苦労が少しはお分かり頂けたでしょうか。この、培養土についてはまだまだ語りつくせない事が山ほどありますので、この続きはどうか次回をお楽しみに。

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