お手入れマニュアル
ハイドランジア「ピルニッツ」
原産地と性質
▲装飾花。中央の白い部分が花、周囲の花びらのようなものが萼。
アジサイの原産地は日本で、西洋で品種改良され日本にもたらされたものをハイドランジアと呼びます。大雑把にいうと野山や庭に咲くものをアジサイ、鉢植えなどで園芸用に出回っているものをハイドランジアと思って良さそうです。花には装飾花が周辺部を縁取る「額咲き」と、すべての花が装飾花となった「手まり咲き」に分けられます。装飾花は中心の花と周囲に大きく発達した萼(がく)とから成ります。
鑑賞中の管理
▲一株の中でもアルミイオンの分布の片寄りで発色にばらつきが出る。
一般には、アジサイは酸性土壌で青く咲きアルカリ土壌で赤く咲くといわれています(小学校で習ったリトマス試験紙と逆ですね)。青く発色するのは土壌に溶け出したアルミニュウムイオンが根からに吸収されるためで、土が酸性に傾くと土壌中のアルミニュウムからイオンが溶け出してくるのです。逆にこのイオンが吸収されないと赤く発色します。ただし花色はこのほか遺伝的要因やその他により、微妙に変化するようです。
花が終わった後の管理
▲愛知県幸田市、本光寺参道のアジサイ。開花の時期には観光客で賑わう。
乾燥に弱いので、鉢植えで育てる場合は乾かさないよう注視してください。地植えにする場合は乾燥しない場所を選びましょう。日影でもよく育ちますが、一定の直射日光に当てると花付が良くなるといわれています。花後は早目に剪定し新梢の生育を促して、充実した蕾を付けましょう。あるいは、秋ぐちに枝の下をたどって大きな芽を残して切り戻してもよいでしょう。